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税理士コラム

簿記って?

会計(簿記)とは?
最近、よく企業の倒産を耳にします。ここ福岡でも、大きな会社が倒産し、その関連で下請け業者も連鎖倒産と大変です。最近の倒産の場合、黒字倒産というのが多いです。【黒字なのに倒産】これは企業会計と資金繰りが別物だからです。
企業会計とは、一定の期間で区切った会計期間中の売買収支を発生主義にて複式簿記を用い集計、表現したものであり、これには現金の入金、出金のみでなく売掛、買掛けも売買収支の中に含みます。
これに対して資金繰りだと、現金主義になります。現金の入金と出金のみで収支を表現しますから、売上げがなくても借入れがあれば『プラス』、仕入れがなくても借入返済があれば『マイナス』。 ということは、売上げが1000円で経費が700円、そして借入返済が400円。これだと会計上では1000-700=300円の黒字ですが、資金繰りでは100円のマイナスです。会社経営は成り立たなくなります。そこで銀行から借入れを200円。すると資金繰りはプラス100円で会社の経営はなんとかなりました。そのまま続けると・・・やはりムリが生じてきます。たとえば、銀行が新規借入れをストップすると黒字でも資金難で経営は行き詰ります。

では会計とは何なのでしょう?簡単にいうと収支計算することでしょうが、その方法に簿記というものがあります。簿記の発祥にはいくつか説がありますが、共通しているのは、貿易船の栄えた頃に出資者への収支の報告を行なう為に発展したものといわれています。当時は一航海ごとに収支の財貨を分配していたそうです。分配は金貨だったり宝飾品だったり現物支給もあったと思います。しかしそうなると数年から十数年になるような航海の場合だと大変です。また、大恐慌の時代には偽装倒産による詐欺が多かったのでフランスではルイ14世が2年ごとに決算をするように定めたそうです。また日本で最初に簿記を紹介されたのは、あの福沢諭吉が翻訳した『帳合之法』だといわれています。これはアメリカからの簿記を紹介したものでした。

簿記について、19世紀のドイツの偉人ゲーテは、著書の小説で『商売をやってゆくのに、広い視野をあたえてくれるのは、複式簿記による整理だ。(中略)複式簿記が商人に与えてくれる利益は計り知れないほどだ。人間の精神が生んだ最高の発明である。立派な経営者はだれでも経営に複式簿記を取り入れるべきだ』と主人公と友人の会話の中で書いています。

簿記は苦手という方は、ぜひともゲーテの言葉を思い出し克服してください!