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税理士コラム

相続の豆知識

梅のつぼみも膨らみかけようやく春の気配を感じられるようになりました。
街ではバレンタインデーのセールで華やいでいます!

遺産相続は、『遺産“争”続』といわれるくらい、トラブルの多いもの。
親が残した遺産を兄弟(姉妹)で奪い合うという事は決して少なくありません。
しかし、遺産は、プラスの資産ばかりとは限りません。
故人に借入金などの負債があるときは、その分も相続されてしまいます。
相続するかしないかは、相続人の自由であり、相続を放棄する事もできるのです。
例えば、事業主であった父が、突然交通事故で他界してしまい、事業が不振で、
多額の借入金を抱えている場合、相続を受けた人は自分の責任でもない
借入金の返済に苦しむことになってしまいます。
このように、プラスの資産より負債が上回る場合には、『相続放棄』をする事ができます。
そのためには、相続人であることを知ってから3ヶ月以内(考慮期間)に、
家庭裁判所に相続放棄の申し立てを行います。
相続放棄をすれば、負債がなくなるばかりではなく、プラスの資産も放棄した事になります。
そこでプラスの資産の範囲内で借入金などの返済をし、残った部分だけを相続するという
『限定承認』の制度もあります。
相続放棄の場合は、ひとりで手続きを行うことができますが、この場合は相続人全員で行います。
この場合も考慮期間内に、財産目録を添えて家庭裁判所に申し立てを行います。

※相続放棄の手続きをする前に財産を処分すると、一切の放棄が認められなくなり、
債務をすべて背負ってしまうことになります。

誰もが不幸にして突然命を落とす可能性はゼロではありません。
一家の大黒柱である人は、生命保険に加入するのは、誰もがやっていることでしょう。
そこで相続を放棄した場合、保険金の受け取りについて何ですが…
保険金はそもそも遺産ではなく、受取人がもともと保有している固有の財産であり、
保険金の請求権まで放棄したことになりません。
故人に負債がある場合、保険金が支払われたとして、その保険金も債務の返済に
充てなければならないかというと、そんな必要はないのです。
保険金は、被保険者から相続人に相続されたものではなく、はじめから相続人の財産なのです。
ただし、保険金は相続税の課税対象となります。「みなし相続財産」の扱いとなり、
税法上の特別配慮が為されるのです。

そろそろ花粉症もはじまる時節のようです。毎年お悩みの方は、お外ではマスク、
お家に入る前にお洋服に着いた花粉を叩いて、予防して下さい。