BLOG

税理士コラム

物品切手等の消費税

今年の夏(6~8月)は、平均気温が1.64度高くて統計を取り始めた1898年以降
で最も高かったということでした。福岡市でも、8月の月平均気温が観測史上1位で、
最高気温が35度以上となる猛暑日も年間最多を更新しているようです。9月に入ってからも、
まだまだ暑い日が続いていますが熱中症や夏バテに気を付けて、この暑い夏を乗り切って下さい。

この夏のお中元で、得意先等に商品券やビール券を贈答した方もいらっしゃると思いますが、
この商品券やビール券の購入は消費税の非課税取引です。
それは、物品切手等(商品券、ビール券、図書券、旅行券、映画・遊園地等の前売り入場券、
航空券、JR回数券、高速道路利用券、テレホンカードなどのプリペイドカード)の譲渡は、
消費税の非課税取引とされているからです。
(注)物品切手等の譲渡に課税すると、最終的に提供を受ける商品やサービスが同じ一つのもの
であるにもかかわらず二重に課税されることになるので、これを避けるために課税しないことに
なっています。

ただし、事業者が自ら使用するために購入した物品切手等で、継続して購入した日の属する課税期間の
課税仕入れとしている場合は、その経理処理が認められることになります。
例えば、出張する際の航空券・JR回数券・高速道路利用券、福利厚生の目的で購入した入場券や、
商品券を使って消耗品など購入した場合などがあげられます。

あと、野球場のシーズン予約席料は、主催者と予約者の間の契約に基づくシーズン中における野球
観戦を目的とした席料であるとともに、野球を観戦させるという役務の提供の対価と考えられますから
課税仕入れとなります。なお、シーズン予約者には試合ごとの入場券が交付されますが、この入場券は
シーズン予約者であることを証する一種の整理券と考えるのが妥当であり物品切手には該当しません。
また、課税仕入れの時期は、現実に役務の提供を受ける日つまり観戦をする日ですが、交際費等の
算入時期(中途解約はできないものであるから、接待等のあった日として交際費等に直接関連する
行為のあった開幕日)に課税仕入れがあったとしても差し支えありません。