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税理士コラム

森林環境税とは?

森林環境税という税金が住民税と一緒に徴収されていることはご存じでしょうか?
ただ単に均等割額が増えたということではなく、森林環境税という新しい法定外目的税として
徴収されているからです。
では、森林環境税とはなんでしょうか?
福岡県の森林面積は約22万2千ヘクタール。その約3分の2を人工林が占めているそうです。
この人工林は、杉の木などの人の手で定期的な手入れを行わないと森林としての機能が
低下するそうです。しかし、林業の低迷から長期間手入れがされていない荒廃した森林が
増えているので、このまま放置すると森林の公益的機能が低下し、洪水や渇水、土砂災害が
発生する可能性が高まるなど、ゲリラ豪雨が多い天候では非常に危険です。
そのため地方自治体が自ら森林整備事業を行い、その費用負担を幅広く住民に求める目的で、
導入した税がこの森林環境税です。

①森林の整備…15年以上未整備で、公益的機能が著しく低下している人工林の間伐、
枝落し、除伐、作業道路等の開設

②森林の造成…伐採後3年以上放置され、植栽によらなければ更新が困難と見込まれる
林地への広葉樹の植栽、下刈、作業道路等の開設

③荒廃森林の公的取得…荒廃した森林のうち、やむを得ず公的な管理が必要な森林の取得

④森林づくり活動公募事業及び情報発信事業…森林づくり、里山の保全、森林環境教育など
この事業により再生した森林は伐採や開発などを制限し、『環境の森林』として保全されるそうです。

この森林環境税を調べていくと日本の47都道府県のうち30県で導入を開始しています。
一番早くこの森林環境税を導入した県は、高知県であり平成15年4月から導入を開始しています。
福岡県は平成20年4月から導入し、その税金の額については、個人が年/500円、
法人が均等割額の5%としています。他の県では法人も個人も一律年/500円(高知県)や
個人が年/1,000円、法人が均等割額の10%(茨城県)というところもあります。九州は一律
同額同率のようです。
また、福岡県は①~③までの予算額は平成21年度として12億5,300万円、④については
3,300万円を計上されています。
この環境税よる地方自治体の事業には賛否両論があるようですが、成果のある使い方を
してほしいと思います。