11/29: 税制改正を振り返って(所得税関係)
Category: その他|Posted by: ntax
今年も、あと僅かとなりました。これから年末にかけてバタバタしてしまう日が多くなります。体調管理には十分気をつけて、気持ちの良い年明けをお迎えください。
さて、昨年の12月22日に平成22年度税制改正大綱が発表され、今年はたばこ税の引き上げなどが実施されました。他にも様々な見直しが進んでいます。
改正内容についてはこれまでもちょくちょく取り上げてきましたが、今回は22年度税制改正の所得税関係について以下にまとめてみました。改めて、確認してみてください。
【扶養控除の見直し】
年少扶養控除の廃止
(改正前)0歳~15歳 扶養控除 38万円→(改正後)扶養控除 廃止
特定扶養控除の廃止
(改正前)16歳~18歳 特定扶養控除 63万円→(改正後)扶養控除38万円
(扶養控除上乗せ部分25万円廃止)
同居特別障害者加算の改正
扶養親族または控除対象配偶者が同居の特別障害者である場合において、扶養控除または配偶者控除額に同居特別障害者35万円を加算する措置について、年少扶養控除親族に係る扶養控除の廃止に伴い、特別障害者控除の額に同居特別障害者加算額35万円を加算する制度に改められました。加算方式が変わっただけで障害者控除自体の増減はありません。
適用時期:平成23年分以後所得税についての適用
【生命保険料控除の改正】
各保険料控除の合計適用限度額が、10万円から12万円に引き上げられました。
介護・医療保障を内容とする「介護医療保険料控除」が、新たに設けられ新契約に係る 一般生命保険料及び個人年金保険料控除の適用限度額は各々4万円となり、「介護医療保険料控除」「一般生命保険料控除」「個人年金保険料控除」の3本立てとなり合計12万円まで控除可能となりました。
新契約 平成24年1月1日以後に締結した保険契約等
介護医療保険料控除(介護・医療保障等) 適用上限 4万円
一般生命保険料控除(遺族保障等) 適用上限 4万円
個人年金保険料控除(老後保険) 適用上限 4万円
旧契約 平成23年12月31日以前に締結した保険契約等・・・従来どおり
一般生命保険料控除(遺族・介護・医療保障等) 適用上限 5万円
個人年金保険料控除(老後保障) 適用上限 5万円
旧契約に附帯して平成24年1月1日以降に新契約をした場合は旧契約を新契約とします。
【寄付金控除の適用下限額の引き下げ】
所得控除の対象となる特定寄付金額について適用下限額が、5,000円から2,000円に引き下げられました。
寄付金控除 = その年に支出した特定寄付金の合計額 - 2,000円
(総所得金額の40%が限度)
適用時期:平成22年分以後所得税について適用
今、23年度税制改正の議論が進んでいます。今回は給与・配偶者控除の縮小や、環境税、相続税の増税などが検討されているようです。今後の動向に注目です。
さて、昨年の12月22日に平成22年度税制改正大綱が発表され、今年はたばこ税の引き上げなどが実施されました。他にも様々な見直しが進んでいます。
改正内容についてはこれまでもちょくちょく取り上げてきましたが、今回は22年度税制改正の所得税関係について以下にまとめてみました。改めて、確認してみてください。
【扶養控除の見直し】
年少扶養控除の廃止
(改正前)0歳~15歳 扶養控除 38万円→(改正後)扶養控除 廃止
特定扶養控除の廃止
(改正前)16歳~18歳 特定扶養控除 63万円→(改正後)扶養控除38万円
(扶養控除上乗せ部分25万円廃止)
同居特別障害者加算の改正
扶養親族または控除対象配偶者が同居の特別障害者である場合において、扶養控除または配偶者控除額に同居特別障害者35万円を加算する措置について、年少扶養控除親族に係る扶養控除の廃止に伴い、特別障害者控除の額に同居特別障害者加算額35万円を加算する制度に改められました。加算方式が変わっただけで障害者控除自体の増減はありません。
適用時期:平成23年分以後所得税についての適用
【生命保険料控除の改正】
各保険料控除の合計適用限度額が、10万円から12万円に引き上げられました。
介護・医療保障を内容とする「介護医療保険料控除」が、新たに設けられ新契約に係る 一般生命保険料及び個人年金保険料控除の適用限度額は各々4万円となり、「介護医療保険料控除」「一般生命保険料控除」「個人年金保険料控除」の3本立てとなり合計12万円まで控除可能となりました。
新契約 平成24年1月1日以後に締結した保険契約等
介護医療保険料控除(介護・医療保障等) 適用上限 4万円
一般生命保険料控除(遺族保障等) 適用上限 4万円
個人年金保険料控除(老後保険) 適用上限 4万円
旧契約 平成23年12月31日以前に締結した保険契約等・・・従来どおり
一般生命保険料控除(遺族・介護・医療保障等) 適用上限 5万円
個人年金保険料控除(老後保障) 適用上限 5万円
旧契約に附帯して平成24年1月1日以降に新契約をした場合は旧契約を新契約とします。
【寄付金控除の適用下限額の引き下げ】
所得控除の対象となる特定寄付金額について適用下限額が、5,000円から2,000円に引き下げられました。
寄付金控除 = その年に支出した特定寄付金の合計額 - 2,000円
(総所得金額の40%が限度)
適用時期:平成22年分以後所得税について適用
今、23年度税制改正の議論が進んでいます。今回は給与・配偶者控除の縮小や、環境税、相続税の増税などが検討されているようです。今後の動向に注目です。
11/05: 非課税となる旅費の概要
Category: その他|Posted by: ntax
給与所得を有する者が・・・
転勤する場所を離れて、その職務を遂行するための旅費
転任に伴う転居のための旅費
就職もしくは退職をした者もしくは死亡による退職をした者の遺族がこれらに伴う転居のための旅費
これら旅費に充てるために支給される金品で、その旅費について通常必要であると認められるものについては、非課税となります(所法9①四)。
基本的に、生活必需品(衣料、食料など)、家具、電化製品、ピアノやペットなどの運送費用などです。
また、最近では、就職予定者に就職する際の引っ越し等にかかる金銭、いわゆる“就職支度金”を支給する企業も少なくありません。一昨年からの景気悪化に伴い、雇用状況も厳しさを増しています。企業が優秀な人材を欲していることに変わりはないのでこうした人材確保の観点からです。
この“就職支度金”も通常必要と認められる金額である場合には、非課税所得として扱われることとなります。
そして、非課税とされる金額の範囲内であるかどうかは、次に掲げる事項を勘案して判定することとされています(所基通9-3)。
(1)その支給額が、その支給をする使用者等の役員及び使用人のすべてを通じて適正なバランスが保たれている基準によって計算されたものであるかどうか。
(2)その支給額が、その支給をする使用者等と同業種、同規模の他の使用者等が一般的に支給している金額に照らして相当とみとめられるものであるかどうか。
例えば、就職予定者が実際に引っ越し等のために支出した金額分だけ、領収書等を基に会社が実費負担した場合は、非課税所得として扱われるでしょう。
一方、就職予定者全員に、それぞれの引っ越し先の距離等を考慮せずに一律の金額が支給されたような場合は、それが実際に各々の引っ越し等に通常必要とされる金額なのか分かりません。また、実際に引っ越し等のためにいくら支出したのかも分らないため、非課税所得としては認められないでしょう。
こうした観点から、“就職支度金”を支給するのであれば、一律いくらで支給するいわゆる“渡し切り”よりも、実費精算の方が無難だと言えます。
なお、非課税限度額を超える旅費等については、以下の旅費の区分に応じ、それぞれ次に掲げる所得の収入金額または総収入金額に算入することとされています(所基通9-4)。
(1)給与所得者が勤務する場所を離れてその職務を遂行するため・・・給与所得
(2)給与所得者が転任に伴う転居のため・・・給与所得
(3)就職者がその就職に伴う転居のため・・・雑所得
(4)退職者がその退職に伴う転居のため・・・退職所得
(5)死亡による退職をした者の遺族がその死亡による退職に伴う転居のため・・・退職所得(所法9①十六により非課税)
これらは、非課税の範囲を超えた部分の所得の区分を明らかにしたものであり、(1)、(2)のように年末調整で調整出来るもの、(3)のように確定申告の必要があるもの、(4)のように原則として源泉徴収で完結するものがあります。
転勤する場所を離れて、その職務を遂行するための旅費
転任に伴う転居のための旅費
就職もしくは退職をした者もしくは死亡による退職をした者の遺族がこれらに伴う転居のための旅費
これら旅費に充てるために支給される金品で、その旅費について通常必要であると認められるものについては、非課税となります(所法9①四)。
基本的に、生活必需品(衣料、食料など)、家具、電化製品、ピアノやペットなどの運送費用などです。
また、最近では、就職予定者に就職する際の引っ越し等にかかる金銭、いわゆる“就職支度金”を支給する企業も少なくありません。一昨年からの景気悪化に伴い、雇用状況も厳しさを増しています。企業が優秀な人材を欲していることに変わりはないのでこうした人材確保の観点からです。
この“就職支度金”も通常必要と認められる金額である場合には、非課税所得として扱われることとなります。
そして、非課税とされる金額の範囲内であるかどうかは、次に掲げる事項を勘案して判定することとされています(所基通9-3)。
(1)その支給額が、その支給をする使用者等の役員及び使用人のすべてを通じて適正なバランスが保たれている基準によって計算されたものであるかどうか。
(2)その支給額が、その支給をする使用者等と同業種、同規模の他の使用者等が一般的に支給している金額に照らして相当とみとめられるものであるかどうか。
例えば、就職予定者が実際に引っ越し等のために支出した金額分だけ、領収書等を基に会社が実費負担した場合は、非課税所得として扱われるでしょう。
一方、就職予定者全員に、それぞれの引っ越し先の距離等を考慮せずに一律の金額が支給されたような場合は、それが実際に各々の引っ越し等に通常必要とされる金額なのか分かりません。また、実際に引っ越し等のためにいくら支出したのかも分らないため、非課税所得としては認められないでしょう。
こうした観点から、“就職支度金”を支給するのであれば、一律いくらで支給するいわゆる“渡し切り”よりも、実費精算の方が無難だと言えます。
なお、非課税限度額を超える旅費等については、以下の旅費の区分に応じ、それぞれ次に掲げる所得の収入金額または総収入金額に算入することとされています(所基通9-4)。
(1)給与所得者が勤務する場所を離れてその職務を遂行するため・・・給与所得
(2)給与所得者が転任に伴う転居のため・・・給与所得
(3)就職者がその就職に伴う転居のため・・・雑所得
(4)退職者がその退職に伴う転居のため・・・退職所得
(5)死亡による退職をした者の遺族がその死亡による退職に伴う転居のため・・・退職所得(所法9①十六により非課税)
これらは、非課税の範囲を超えた部分の所得の区分を明らかにしたものであり、(1)、(2)のように年末調整で調整出来るもの、(3)のように確定申告の必要があるもの、(4)のように原則として源泉徴収で完結するものがあります。