日差しの少なかった夏もあっと言う間に終わり、朝晩は少し肌寒く季節は
冬へ向け、少しずつシフトし始めました。今年も残り2ヶ月余となり、各保険
会社から控除証明書が届いていると思います。年末調整や確定申告で控除
漏れが無いように保管・提出をお願いします。

 さて、今回は「所得拡大促進税制」について書いてみたいと思います。
まず、「所得拡大促進税制」とは、青色申告の事業者が平成25年4月1日から
平成30年3月31日までの期間内に開始する各事業年度において、国内雇用者
に対して給与等を支給し、一定の要件を満たした場合、雇用者給与等支給
増加額の10%の税額控除ができる制度です。

一定の要件とは
①雇用者給与等支給増加額の基準雇用者給与等支給額に対する割合が、
 平成27年4月1日より前に開始する事業年度については2%
 平成28年3月31日までの間に開始する事業年度については3%
 平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する事業年度に
 ついては5%以上であること

②雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額以上であること

③平均給与等支給額が比較平均給与等支給額を超えること


 なお、国内雇用者とは、法人又は個人事業主の使用人のうち法人又は個人事業
主の有する国内の事業所に勤務する雇用者を言い、雇用保険一般被保険者でない
者も含みます。但し、当該法人の役員の特殊関係者や使用人兼務役員は、使用人
から除かれています。役員の特殊関係者とは、次の者をいいます。

① 役員の親族
② 役員と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者
③ 上記①、②以外の者で役員から生計の支援を受けているもの
④ 上記②、③の者と生計を一にするこれらの者の親族


 本制度の適用を受けるためには、法人税・所得税の申告の際に、確定申告書に
税額控除の対象となる雇用者給与等支給増加額、控除を受ける金額及びその
金額の計算に関する明細書を添付する必要があります。また雇用促進税制等の
「雇用者数を増やした場合の法人税減税措置」とは併用出来ません。

 対象者の判定や、区別や集計に結構手間は掛かりますが、従業員の給与アップ
を考えている企業には、とてもメリットのある制度だと思います。