06/25: 小規模企業共済への加入要件
Category: その他|Posted by: ntax
こんにちは!
梅雨真っ最中で、傘が手放せない日が続いています。ここ博多では、例年7月15日あたりに梅雨明けする事が多いのですが、今年はどうでしょうか。
さて、私どもは仕事上、個人事業経営のお客様や知人から、「節税効果のある商品や投資があれば教えてください」とよく尋ねられるのですが、正確なアドバイスをするためには、それなりの慎重な検討が必要になりますので、なかなか即答する事は難しいものがあります。しかしその中で、「小規模企業共済制度」という、税制面で非常にありがたい制度については、比較的よく話題にしているかもしれません。
小規模企業共済制度とは、事業をやめられたときや会社役員を退職した後の生活資金等をあらかじめ積み立てておく共済制度で、小規模企業共済法という法律に基き、国が全額出資している独立行政法人中小企業基盤整備機構という組織により運営されています。
最大のメリットとしては、毎月千円から7万円の範囲内で自由に掛金を設定することができ(途中で掛金変更可)、さらに、その掛金は全額所得控除の対象(小規模企業共済等掛金控除)になります。例えば、毎月5万円掛けたとすると、60万円を所得から差し引くことができます。同額の生命保険料では上限が10万円までになりますので、節税効果は大きいと言えます。また、共済金を受け取るのは、廃業した時・退職した時ですが、「退職所得」または国民年金・厚生年金と同じ「公的年金等の雑所得」として取り扱われます。生命保険料の受取の場合(一時所得)と比べて、税制上かなり優遇されています。
ただし、やはり誰もが加入できるということではありません。名前にある通り、「小規模」な事業主や法人の役員に限定されます。
【加入可能な方(平成22年改正前)】
① 常時使用する従業員数が20人以下の建設業、製造業、運輸業、不動産業、農業等の個人事業主または会社の役員
② 常時使用する従業員の数が5人以下の商業(卸売業・小売業)、サービス業の個人事業主または会社の役員
③ 事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員
④ 常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員
⑤ 常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員
⑥ 常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人の士業法人の社員
※従業員の数は、あくまでも加入時における人数要件であり、加入後に増員があり、要件に該当しなくなっても、引き続き加入できます。
そして、この小規模企業共済制度について、今年4月に一部改正法が成立しました。
改正の主な内容としては、今までは一定の事業を営む個人事業主本人若しくは法人の役員のみが加入対象者となっておりましたが、個人事業主と一緒に経営に携わる配偶者や後継者をはじめとする「共同経営者」も2人まで認めるというものです。この改正により、今後、大幅に加入対象者が増えると見込まれております。当然、共同経営者が支払った掛金についても、上記で述べたような税制上のメリットがあります。
家族単位での節税効果は非常に大きくなりますので、要件に該当する個人事業主の方にはオススメです。
梅雨真っ最中で、傘が手放せない日が続いています。ここ博多では、例年7月15日あたりに梅雨明けする事が多いのですが、今年はどうでしょうか。
さて、私どもは仕事上、個人事業経営のお客様や知人から、「節税効果のある商品や投資があれば教えてください」とよく尋ねられるのですが、正確なアドバイスをするためには、それなりの慎重な検討が必要になりますので、なかなか即答する事は難しいものがあります。しかしその中で、「小規模企業共済制度」という、税制面で非常にありがたい制度については、比較的よく話題にしているかもしれません。
小規模企業共済制度とは、事業をやめられたときや会社役員を退職した後の生活資金等をあらかじめ積み立てておく共済制度で、小規模企業共済法という法律に基き、国が全額出資している独立行政法人中小企業基盤整備機構という組織により運営されています。
最大のメリットとしては、毎月千円から7万円の範囲内で自由に掛金を設定することができ(途中で掛金変更可)、さらに、その掛金は全額所得控除の対象(小規模企業共済等掛金控除)になります。例えば、毎月5万円掛けたとすると、60万円を所得から差し引くことができます。同額の生命保険料では上限が10万円までになりますので、節税効果は大きいと言えます。また、共済金を受け取るのは、廃業した時・退職した時ですが、「退職所得」または国民年金・厚生年金と同じ「公的年金等の雑所得」として取り扱われます。生命保険料の受取の場合(一時所得)と比べて、税制上かなり優遇されています。
ただし、やはり誰もが加入できるということではありません。名前にある通り、「小規模」な事業主や法人の役員に限定されます。
【加入可能な方(平成22年改正前)】
① 常時使用する従業員数が20人以下の建設業、製造業、運輸業、不動産業、農業等の個人事業主または会社の役員
② 常時使用する従業員の数が5人以下の商業(卸売業・小売業)、サービス業の個人事業主または会社の役員
③ 事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員
④ 常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員
⑤ 常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員
⑥ 常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人の士業法人の社員
※従業員の数は、あくまでも加入時における人数要件であり、加入後に増員があり、要件に該当しなくなっても、引き続き加入できます。
そして、この小規模企業共済制度について、今年4月に一部改正法が成立しました。
改正の主な内容としては、今までは一定の事業を営む個人事業主本人若しくは法人の役員のみが加入対象者となっておりましたが、個人事業主と一緒に経営に携わる配偶者や後継者をはじめとする「共同経営者」も2人まで認めるというものです。この改正により、今後、大幅に加入対象者が増えると見込まれております。当然、共同経営者が支払った掛金についても、上記で述べたような税制上のメリットがあります。
家族単位での節税効果は非常に大きくなりますので、要件に該当する個人事業主の方にはオススメです。
06/18: 中小企業金融円滑化法
Category: その他|Posted by: ntax
こんにちは。梅雨に入りました。少し過ごしにくい日々が続きますが、マメに除湿や空気の入れ替えを行って、心地よい夏を迎えたいですね。
さて今回のコラムは、中小企業金融円滑化法についてふれてみたいと思います。
昨年12月、資金繰りの悪化が深刻な中小企業に対して、金融機関にできるだけ前向きに返済条件の見直しなどに努めることを定めた中小企業円滑化法が施行されました。
先月の28日、金融省から発表された速報値によると、法律の施行日から平成22年3月末までに約46万5千件もの申込みがあったようで、中小企業の資金繰りの厳しさも深刻化しています。申し込みの結果、76%が条件変更の実行済みとなったとのことで、金融機関も柔軟に対応しているようです。
中小企業金融円滑化法をうまく活用するためには、その概要をしっかりと理解する必要があります。金融省が示す中小企業円滑化法の概要は、以下の通りです。
○ 対象となる中小企業者
・ 小売業の場合は資本金5,000万以下又は従業員50人以下
・ 卸売業の場合は1億円以下又は従業員100人以下
・ ゴム製品製造業の場合は3億円以下又は従業員900人以下
・ ソフトウェア業又は情報処理サービス業の場合は3億円以下又は従業員300人以下
・ 旅館業の場合は5,000万円以下又は従業員200人以下
・ その他業種(金融・保険業を除く)の場合は3億円以下従業員300人以下
・ 医療を主たる事業とする法人の場合は従業員300人以下
* このほか、中小企業等協同組合、農業協同組合、森林組合、商工組合、生活衛星同業組合などの場合についても、一定の条件を満たせば対象となります。
○ 対象となる金融機関
銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農業協同組合、漁業協同組合、農林中央金庫など
○ 金融機関の努力義務
・ 中小企業者又は住宅ローンの借り手から申込みがあった場合、できるだけ、貸付条件の変更等、債務返済負担の軽減のための措置をとるよう努める。
・ 金融機関は、申込みがあった場合、他の金融機関、政府系金融機関、信用保証協会、中小企業再生支援協議会などの関係機関と連携を図りつつ、できるだけ適切な措置をとるよう努める。
○ 金融機関の義務
・条件変更などの措置を円滑に行うことができるよう、これらの措置の実施に関する方針の策定、状況把握のための体制整備、苦情相談対応のための体制、事業改善、再生に向けた支援のための体制整備、措置状況や苦情相談状況の記録保存を行わなければならない。
・ 条件変更等の措置の実施に関する方針や措置状況などを記載した説明書類を作成し、金融機関の営業所などに備えおき、公衆の縦覧に供しなければならない。また、これらの書類を政府庁に対して報告しなければならない。
○ 法律の期限
平成23年3月31日で失効する。
また、活用することで得られるメリットとデメリットは以下のようなものが考えられます。
○ メリット
・元本返済猶予や、返済期間の延長などの借入条件の変更・・・返済猶予・金利減免、返済期間の延長、債権放棄などの借入条件を変更したい場合申請すると、金融機関はそれに応じるよう努力義務が課せられます。
・ 条件変更を行っても不良債権とみなされないため新規借入が可能
・ 金融機関による経営支援・営業支援コンサルティングを受けられる など
○ デメリット
・ 必ず申請が通るとは限らない
・ 新規融資や借り添え、条件変更を行う場合、手数料が生じる
・ 申請時に経営改善計画書などの作成義務が生じる など
経営改善計画書では
・ 資産売却などによって財務内容を健全化することができる
・ まだまだ経費や役員報酬を削減できる
・ その会社の技術力や、成長性から時間をかけなければ改善可能と判断できる
などの点を、短期間内に具体的に実行できる根拠を示し、経営改善に挑戦するという意思で作成することが必要です。
要件に該当する中小企業の経営者の方は、是非参考にしてみてください。
以上、コラムでした。
さて今回のコラムは、中小企業金融円滑化法についてふれてみたいと思います。
昨年12月、資金繰りの悪化が深刻な中小企業に対して、金融機関にできるだけ前向きに返済条件の見直しなどに努めることを定めた中小企業円滑化法が施行されました。
先月の28日、金融省から発表された速報値によると、法律の施行日から平成22年3月末までに約46万5千件もの申込みがあったようで、中小企業の資金繰りの厳しさも深刻化しています。申し込みの結果、76%が条件変更の実行済みとなったとのことで、金融機関も柔軟に対応しているようです。
中小企業金融円滑化法をうまく活用するためには、その概要をしっかりと理解する必要があります。金融省が示す中小企業円滑化法の概要は、以下の通りです。
○ 対象となる中小企業者
・ 小売業の場合は資本金5,000万以下又は従業員50人以下
・ 卸売業の場合は1億円以下又は従業員100人以下
・ ゴム製品製造業の場合は3億円以下又は従業員900人以下
・ ソフトウェア業又は情報処理サービス業の場合は3億円以下又は従業員300人以下
・ 旅館業の場合は5,000万円以下又は従業員200人以下
・ その他業種(金融・保険業を除く)の場合は3億円以下従業員300人以下
・ 医療を主たる事業とする法人の場合は従業員300人以下
* このほか、中小企業等協同組合、農業協同組合、森林組合、商工組合、生活衛星同業組合などの場合についても、一定の条件を満たせば対象となります。
○ 対象となる金融機関
銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農業協同組合、漁業協同組合、農林中央金庫など
○ 金融機関の努力義務
・ 中小企業者又は住宅ローンの借り手から申込みがあった場合、できるだけ、貸付条件の変更等、債務返済負担の軽減のための措置をとるよう努める。
・ 金融機関は、申込みがあった場合、他の金融機関、政府系金融機関、信用保証協会、中小企業再生支援協議会などの関係機関と連携を図りつつ、できるだけ適切な措置をとるよう努める。
○ 金融機関の義務
・条件変更などの措置を円滑に行うことができるよう、これらの措置の実施に関する方針の策定、状況把握のための体制整備、苦情相談対応のための体制、事業改善、再生に向けた支援のための体制整備、措置状況や苦情相談状況の記録保存を行わなければならない。
・ 条件変更等の措置の実施に関する方針や措置状況などを記載した説明書類を作成し、金融機関の営業所などに備えおき、公衆の縦覧に供しなければならない。また、これらの書類を政府庁に対して報告しなければならない。
○ 法律の期限
平成23年3月31日で失効する。
また、活用することで得られるメリットとデメリットは以下のようなものが考えられます。
○ メリット
・元本返済猶予や、返済期間の延長などの借入条件の変更・・・返済猶予・金利減免、返済期間の延長、債権放棄などの借入条件を変更したい場合申請すると、金融機関はそれに応じるよう努力義務が課せられます。
・ 条件変更を行っても不良債権とみなされないため新規借入が可能
・ 金融機関による経営支援・営業支援コンサルティングを受けられる など
○ デメリット
・ 必ず申請が通るとは限らない
・ 新規融資や借り添え、条件変更を行う場合、手数料が生じる
・ 申請時に経営改善計画書などの作成義務が生じる など
経営改善計画書では
・ 資産売却などによって財務内容を健全化することができる
・ まだまだ経費や役員報酬を削減できる
・ その会社の技術力や、成長性から時間をかけなければ改善可能と判断できる
などの点を、短期間内に具体的に実行できる根拠を示し、経営改善に挑戦するという意思で作成することが必要です。
要件に該当する中小企業の経営者の方は、是非参考にしてみてください。
以上、コラムでした。