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税理士コラム

小規模企業共済への加入要件

こんにちは!
梅雨真っ最中で、傘が手放せない日が続いています。ここ博多では、例年7月15日あたりに梅雨明けする事が多いのですが、今年はどうでしょうか。

さて、私どもは仕事上、個人事業経営のお客様や知人から、「節税効果のある商品や投資があれば教えてください」とよく尋ねられるのですが、正確なアドバイスをするためには、それなりの慎重な検討が必要になりますので、なかなか即答する事は難しいものがあります。しかしその中で、「小規模企業共済制度」という、税制面で非常にありがたい制度については、比較的よく話題にしているかもしれません。

小規模企業共済制度とは、事業をやめられたときや会社役員を退職した後の生活資金等をあらかじめ積み立てておく共済制度で、小規模企業共済法という法律に基き、国が全額出資している独立行政法人中小企業基盤整備機構という組織により運営されています。

最大のメリットとしては、毎月千円から7万円の範囲内で自由に掛金を設定することができ(途中で掛金変更可)、さらに、その掛金は全額所得控除の対象(小規模企業共済等掛金控除)になります。例えば、毎月5万円掛けたとすると、60万円を所得から差し引くことができます。同額の生命保険料では上限が10万円までになりますので、節税効果は大きいと言えます。また、共済金を受け取るのは、廃業した時・退職した時ですが、「退職所得」または国民年金・厚生年金と同じ「公的年金等の雑所得」として取り扱われます。生命保険料の受取の場合(一時所得)と比べて、税制上かなり優遇されています。

ただし、やはり誰もが加入できるということではありません。名前にある通り、「小規模」な事業主や法人の役員に限定されます。

【加入可能な方(平成22年改正前)】
① 常時使用する従業員数が20人以下の建設業、製造業、運輸業、不動産業、農業等の個人事業主または会社の役員
② 常時使用する従業員の数が5人以下の商業(卸売業・小売業)、サービス業の個人事業主または会社の役員
③ 事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員
④ 常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員
⑤ 常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員
⑥ 常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人の士業法人の社員
※従業員の数は、あくまでも加入時における人数要件であり、加入後に増員があり、要件に該当しなくなっても、引き続き加入できます。

そして、この小規模企業共済制度について、今年4月に一部改正法が成立しました。
改正の主な内容としては、今までは一定の事業を営む個人事業主本人若しくは法人の役員のみが加入対象者となっておりましたが、個人事業主と一緒に経営に携わる配偶者や後継者をはじめとする「共同経営者」も2人まで認めるというものです。この改正により、今後、大幅に加入対象者が増えると見込まれております。当然、共同経営者が支払った掛金についても、上記で述べたような税制上のメリットがあります。

家族単位での節税効果は非常に大きくなりますので、要件に該当する個人事業主の方にはオススメです。